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ファクタリングの仕訳・会計処理を具体例で解説|税務の注意点
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ファクタリングの仕訳・会計処理を具体例で解説|税務の注意点

ファクタリング利用時の仕訳方法と会計処理を具体的な数値例で解説。売上債権売却損の計上方法、消費税の扱い、決算書への影響、期をまたぐ場合の処理、税理士に相談すべきケースまで実務に即して詳しく紹介します。

ファクナビ編集部

ファクタリング業界に精通した編集チームが、資金調達に関する正確で実践的な情報をお届けします。金融機関での実務経験者、中小企業の財務コンサルタント経験者を中心に構成されています。

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ファクタリングの仕訳・税務処理
ファクタリングの仕訳・税務処理

「支払利息」で仕訳したら、税務調査で指摘された

ある中小企業がファクタリングを初めて利用したとき、経理担当者は手数料を「支払利息」として計上した。銀行融資と似たようなものだろう、という判断だった。ところが翌年の税務調査で「これは利息ではなく債権売却損です」と指摘され、修正申告を求められた。

ファクタリングは融資ではない。売掛債権の「売買」だ。したがって、会計処理も融資とはまったく異なる。ここを間違えると、財務諸表に誤りが生じ、税務上のリスクを抱えることになる。

この記事では、2社間・3社間それぞれの具体的な仕訳例(数値入り)から、消費税の扱い、決算書への影響、税理士に相談すべきケースまで、実務に即して解説する。

仕訳の基本——2つの原則を押さえる

ファクタリングは売掛債権の売却取引。会計上のポイントは2つに集約される。

原則1:売掛金が消える。 売掛金が未収入金に振り替わり、入金時に消滅する。

原則2:手数料は「売上債権売却損」で計上する。 借入金の利息(支払利息)とは性質が異なるため、「売上債権売却損」という勘定科目で営業外費用に計上するのが一般的だ。

整理すると、取引の性質は「売掛債権の売買(融資ではない)」。手数料の勘定科目は「売上債権売却損(営業外費用)」。消費税区分は「非課税取引」。負債への影響は「なし(借入ではないため)」。

ここまでが基本。次から具体的な数字を使って仕訳を見ていく。

書類チェックリストのイメージ
書類チェックリストのイメージ

2社間ファクタリングの仕訳——100万円の売掛金を売却した場合

前提: 売掛金100万円。手数料10%(10万円)。手取り90万円が入金。

契約時(債権譲渡時)の仕訳

借方金額貸方金額
未収入金1,000,000円売掛金1,000,000円
売掛金が帳簿から消え、代わりにファクタリング会社からの入金待ちを「未収入金」で表す。この時点ではまだ費用は発生していない。

入金時の仕訳

借方金額貸方金額
普通預金900,000円未収入金1,000,000円
売上債権売却損100,000円
手数料10万円が「売上債権売却損」として費用計上される。損益計算書では営業外費用の区分に入る。営業利益には影響しないが、経常利益は10万円減少する。

契約と入金が同日の場合——簡略処理も可能

即日入金の場合は、以下のように1回の仕訳で済ませることもできる。

借方金額貸方金額
普通預金900,000円売掛金1,000,000円
売上債権売却損100,000円
実務上はこちらのほうがシンプルだ。ただし、契約日と入金日が異なる場合は、2段階の仕訳が正確な処理になる。

3社間ファクタリングの仕訳——200万円の売掛金を売却した場合

前提: 売掛金200万円。手数料5%(10万円)。手取り190万円が入金。

3社間ファクタリングでも仕訳の構造は2社間と同じだ。取引先への通知が行われるため債権譲渡の事実がより明確だが、会計処理に違いはない。

契約時

借方金額貸方金額
未収入金2,000,000円売掛金2,000,000円

入金時

借方金額貸方金額
普通預金1,900,000円未収入金2,000,000円
売上債権売却損100,000円
注目すべきは、同じ10万円の手数料でも、売掛金の額面が200万円なので手数料率は5%。3社間は手数料率が1%〜9%と低いため、売上債権売却損の負担も相対的に小さくなる。
関連記事: 2社間と3社間ファクタリングの違い

消費税の扱い——手数料は非課税、ただし例外もある

ファクタリングの消費税は、実務上よく質問を受けるポイントだ。

結論:ファクタリングの手数料には消費税がかからない。 売掛債権の譲渡は消費税法上「非課税取引」に該当する。金銭債権の譲渡が有価証券等の譲渡と同様に非課税とされているためだ。

ただし、関連するすべての費用が非課税というわけではない。ファクタリング手数料そのものは非課税だが、事務手数料(別途請求される場合)は課税対象となる場合がある。振込手数料も課税だ。

仕訳の際に消費税区分を間違えると、消費税申告にも影響する。ここは経理担当者が特に注意すべきポイントだ。

課税売上割合への影響——大口利用者は要注意

ファクタリング手数料は非課税取引だが、課税売上割合の計算に影響する可能性がある。

ただし特例がある。売掛債権の譲渡対価の5%のみが非課税売上として計上される仕組みだ。たとえば100万円の売掛債権を売却した場合、非課税売上に算入されるのは5万円(100万円 x 5%)にとどまる。

この特例のおかげで、課税売上割合への影響は限定的だ。ただし、大口のファクタリングを頻繁に利用する場合は、累積的な影響が出る可能性がある。税理士に確認しておくのが安全だ。

決算書への影響——BS・PL・CF、それぞれどう変わるか

ファクタリングの利用が財務三表に与える影響を整理しておく。融資との違いが鮮明に出る部分だ。

貸借対照表(BS)——負債は増えない

ファクタリングを利用すると、売掛金が減少し、現金預金が増加する。資産のスリム化と流動性の向上が同時に実現する。

そして最大のポイント。負債は変動しない。 融資と異なり借入金が増えないため、自己資本比率に悪影響がない。バランスシートのオフバランス効果が得られる。

損益計算書(PL)——営業利益は変わらない

売上高と営業利益は変動しない。手数料は営業外費用に計上されるため、影響が出るのは経常利益以降だ。

つまり、ファクタリングを利用しても「本業の稼ぐ力」を示す営業利益は変わらない。ただし、頻繁に利用すると経常利益の低下が目立つ可能性がある。決算書を見る銀行や投資家の目線を意識するなら、利用頻度には注意が必要だ。

キャッシュフロー計算書(CF)——営業CFの改善要因

ファクタリングによる資金調達は、営業活動によるキャッシュフローの区分に影響する。売掛金の減少として営業CFのプラス要因となる。

決算期をまたぐ場合——タイミング次第で処理が変わる

ファクタリングの契約日と入金日が決算期をまたぐ場合は、特に注意が必要だ。具体例で見よう。

3月決算法人のケース:3月25日に契約、4月2日に入金

当期(3月末)の仕訳:

借方金額貸方金額
未収入金1,000,000円売掛金1,000,000円
翌期(4月)の仕訳:
借方金額貸方金額
普通預金900,000円未収入金1,000,000円
売上債権売却損100,000円
手数料の費用計上は実際に入金があった期に行うのが原則だ。ただし、契約時点で手数料が確定している場合は、当期に未払費用として計上することも認められるケースがある。

この判断は税務上の影響が大きい。処理方法に迷った場合は、自己判断せず税理士に確認してほしい。

こんなときは税理士に相談すべき——5つの判断基準

以下のいずれかに該当する場合は、自分で処理を進めず税理士に相談することを強く推奨する。

初めてファクタリングを利用する場合。 会計処理の方針を最初に正しく決めておかないと、後から修正が必要になる。最初の1回だけでも専門家に確認する価値がある。

利用頻度が月2回以上の場合。 決算書への影響が累積的に大きくなる。経常利益の推移や課税売上割合への影響を、専門家の目でチェックしてもらうべきだ。

買取金額が1,000万円以上の場合。 消費税の課税売上割合に影響する可能性がある。金額が大きいほど、5%ルールの影響も無視できなくなる。

決算期をまたぐ取引の場合。 費用計上のタイミングを正確に判断する必要がある。当期に計上するか翌期に計上するかで、税額が変わる。

税務調査が予定されている場合。 ファクタリング取引の正当性を説明する準備が必要だ。「なぜ売上債権売却損として処理したのか」を論理的に説明できるようにしておく。

OLTAマネーフォワード アーリーペイメントなどのサービスでは、会計ソフトとの連携機能があり、仕訳の自動化に対応しています。会計処理の負担を軽減したい場合は、こうしたサービスの活用も検討しましょう。

関連記事: ファクタリングとは?仕組みとメリットを解説
関連記事: ファクタリングと融資の違いを比較

まとめ

ファクタリングの手数料は「売上債権売却損」として営業外費用に計上する。「支払利息」ではない。ここを間違えると税務調査で指摘を受ける。

手数料には消費税がかからない(非課税取引)。ただし事務手数料や振込手数料は課税対象になる場合がある。

融資と異なり負債が増えないため、自己資本比率に悪影響がない。営業利益には影響しないが、経常利益は手数料分だけ減少する。

決算期をまたぐ場合は、費用計上のタイミングに注意が必要。初回利用時や大口取引の場合は、必ず税理士に相談してから処理する。会計ソフト連携のあるファクタリング会社を選べば仕訳の自動化も可能だ。

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この記事の執筆者

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ファクナビ編集部

ファクタリング業界に精通した編集チームが、資金調達に関する正確で実践的な情報をお届けします。金融機関での実務経験者、中小企業の財務コンサルタント経験者を中心に構成されています。

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