ファクタリングとは?仕組み・メリット・デメリットを図解で解説
ファクタリングとは売掛金を最短即日で現金化できる資金調達方法です。2社間・3社間の仕組み、手数料相場、メリット・デメリット、銀行融資との違いを初心者にもわかりやすく解説します。
ファクナビ編集部
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売掛金を「待たずに現金にする」方法
取引先への請求書は出した。でも入金は来月末。今月の支払いには間に合わない——。中小企業の経営者やフリーランスなら、一度はこの状況に直面したことがあるのではないだろうか。
ファクタリングは、この「入金待ちのタイムラグ」を解消する仕組みだ。
具体的には、企業が保有する売掛金(請求書)をファクタリング会社に売却し、支払期日より前に現金化する。銀行融資のように借入を行うわけではなく、売掛債権の売買取引にあたるため、負債が増えないのが最大の特徴である。
2社間と3社間、2つの仕組み
ファクタリングには「2社間」と「3社間」の2種類がある。名前は似ているが、スピード・コスト・取引先への影響がまったく異なる。
2社間ファクタリング——速くて秘密、だが手数料は高め
利用者とファクタリング会社の2者間で完結する取引だ。売掛先(取引先)に通知する必要がないため、取引関係に影響を与えずに資金調達できる。
手数料相場は5〜20%程度とやや高いが、売掛先に知られずに最短即日で現金化できるスピード感が強みだ。オンライン完結型のサービスなら、来店不要でさらにスピーディーに資金調達できる。
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3社間ファクタリング——手数料が安い、だが取引先の承諾が必要
利用者・ファクタリング会社・売掛先の3者間で行う取引。売掛先の承諾が必要だが、ファクタリング会社のリスクが低いため手数料が安くなる。
手数料相場は1〜10%程度と安価だが、売掛先の承諾手続きに1〜2週間程度かかる。
どちらを使うか、判断の軸
- 手数料 ── 2社間は5〜20%、3社間は1〜10%
- 資金化スピード ── 2社間は最短即日、3社間は1〜2週間
- 売掛先への通知 ── 2社間は不要、3社間は必要
- 審査の通りやすさ ── 2社間はやや厳しい、3社間は比較的通りやすい
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ファクタリングの5つのメリット
最短即日で手元に現金が入る
ファクタリング最大の強みはスピードだ。2社間なら最短即日、オンライン完結型のサービスなら最短2時間で入金されるケースもある。銀行融資の「数週間〜数か月」とは比較にならない。
赤字決算でも審査に通りやすい
ファクタリングの審査で重視されるのは売掛先の信用力。自社が赤字であっても、売掛先が大手企業や官公庁なら審査通過率は93%以上とも言われている。銀行に断られた企業の「次の一手」になり得る。創業期やスタートアップでも、売掛金さえあれば利用できる可能性がある。
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負債にならない
売掛債権の売買であり、会計上は売掛金の減少として処理される。負債が増えないため、将来の銀行融資に備えて自己資本比率を維持したい場合に有効だ。
担保も保証人もいらない
売掛金自体が取引の対象であるため、不動産担保も保証人も求められない。
売掛先の倒産リスクから身を守れる
ノンリコース(償還請求権なし)のファクタリングなら、売掛先が倒産しても利用者に返済義務はない。未回収リスクを移転でき、経営の安定性が高まる。
見落としがちな3つのデメリット
手数料コストが重い
2社間で5〜20%、3社間で1〜10%の手数料がかかる。500万円の売掛金を手数料10%で売却すれば、手元に残るのは450万円。年利換算すると銀行融資(年1〜3%)をはるかに上回るコストだ。利益率の低い事業では、手数料が利益を食いかねない。
売掛金がなければ使えない
現金取引が中心の業種や、売掛金の発生が不規則な事業では利用しにくい。あくまで「売掛金を持っている」ことが前提の資金調達手段だ。
悪質業者が一定数存在する
手数料が30%を超える業者や、償還請求権付きの契約を押し付ける業者には要注意。必ず複数社を比較し、契約内容を十分に確認してから利用すること。なお、ファクタリングは貸金業とは法的に異なる取引であり、正規の業者であれば合法的に利用できる。
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銀行融資とファクタリング、何がどう違うか
ファクタリングと銀行融資は根本的な性質が異なる。両者を正しく理解しておけば、状況に応じて最適な選択ができる。
| 比較項目 | ファクタリング | 銀行融資 |
|---|---|---|
| 取引の性質 | 売掛金の売買 | 借入 |
| 資金化スピード | 最短即日 | 数週間〜数ヶ月 |
| 審査対象 | 売掛先の信用力 | 自社の信用力 |
| 負債への影響 | 増えない | 増える |
| 担保・保証人 | 不要 | 必要な場合あり |
| コスト | 手数料1〜20% | 金利年1〜3%程度 |
| 調達可能額 | 売掛金の範囲内 | 数千万〜億単位 |
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こんな場面で、ファクタリングが効く
急な資金需要がある。 取引先からの入金が遅れ、今月の支払いが間に合わない場面。
銀行融資の審査に落ちた。 赤字決算や創業間もないことが理由で融資を断られたケース。
負債を増やしたくない。 将来の融資審査に備え、自己資本比率を維持したい。
つなぎ資金が必要。 大型案件を受注したが、完了までの運転資金が不足している。
売掛先の信用力が高い。 取引先が上場企業や官公庁で、手数料を低く抑えられる。
まとめ
ファクタリングは、売掛金を活用して最短即日で資金調達できる合法的な手段だ。
- 売掛金の売買であり、借入ではないため負債が増えない
- 2社間はスピード重視(最短即日・手数料5〜20%)、3社間はコスト重視(手数料1〜10%)
- 審査は売掛先の信用力が中心。自社が赤字でも利用しやすい
- 担保・保証人は不要だが、手数料コストを利益率と照らし合わせて判断すること
- 悪質業者を避けるために、必ず複数社を比較してから契約する
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