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フリーランス・個人事業主の老後資金づくり完全ガイド:iDeCo・NISA・小規模企業共済の組み合わせ戦略
経営・資金繰り
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フリーランス・個人事業主の老後資金づくり完全ガイド:iDeCo・NISA・小規模企業共済の組み合わせ戦略

退職金も厚生年金の2階部分もないフリーランス・個人事業主が、iDeCo・NISA・小規模企業共済を組み合わせて老後資金を効率的に作る方法を解説。年収別の節税シミュレーションと、資金繰りとの両立策も紹介します。

ファクナビ編集部

ファクタリング業界に精通した編集チームが、資金調達に関する正確で実践的な情報をお届けします。金融機関での実務経験者、中小企業の財務コンサルタント経験者を中心に構成されています。

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節税と老後資金づくりの3本柱
節税と老後資金づくりの3本柱

退職金も厚生年金の2階部分もない——老後資金は「自分で」作るしかない

会社員が60歳で受け取る退職金は、大企業の平均で約2,000万円。これに加えて厚生年金(2階部分)が上乗せされ、月額は国民年金だけの人より8〜12万円多くなる。生涯でならすと、この差は数千万円に達する。

フリーランス・個人事業主にはそのどちらもない。国民年金だけなら月約6.8万円(2026年時点)。「老後2,000万円問題」はすべての人の課題だが、フリーランスにとっては3,000〜5,000万円が必要なケースも珍しくない。

しかし、手当てできる制度はある。小規模企業共済・iDeCo・NISA——この3つを組み合わせれば、節税しながら効率よく引退資金を積み上げられる。この記事では各制度の仕組みと、資金繰りとの両立を含めた最適な活用法を解説する。

会社員との老後資金格差を数字で確認する

項目会社員(大企業)フリーランス・個人事業主
退職金平均約2,000万円なし
厚生年金(月額)約15〜18万円なし(国民年金のみ:約6.8万円)
企業型DC・財形貯蓄会社負担ありなし
社会保険料の会社負担保険料の約半額を会社負担全額自己負担
月収が同じでも、会社員とフリーランスでは引退時の準備額に大きな差が生まれる。この格差を埋めるのが、個人事業主向け3制度の役割だ。

3制度の全体像を把握する

老後資金と節税効果の比較
老後資金と節税効果の比較
制度月額上限年間控除上限所得控除運用益引き出し時期
小規模企業共済70,000円84万円全額共済金として非課税廃業・引退・65歳以上
iDeCo68,000円81.6万円全額非課税60歳以降
NISA(つみたて枠)100,000円120万円なし全額非課税いつでも可
3制度を最大限活用すると、年間285万円超の積立が可能になる。小規模企業共済とiDeCoだけでも所得税率20%の個人事業主なら年間約33万円以上の節税を実現できる。

小規模企業共済——「個人事業主の退職金制度」

仕組みと受取方法

中小機構が運営する公的制度。月額1,000円〜70,000円の範囲で掛金を設定し、廃業・引退・65歳以上になったときに退職金として受け取る。

受取方法は一括(退職所得扱い)・分割(雑所得扱い)・一括と分割の併用の3種類。一括受取では退職所得控除が使えるため、税率が通常の所得より大幅に低くなる。

最大の魅力:掛金が全額所得控除

年間最大84万円が所得控除の対象になる。所得税率20%・住民税10%の個人事業主なら、年間約25万円の税金が減る計算だ。これはざっくり言えば「拠出額の30%が返ってくる」効果に等しい。

解約のリスクに注意

掛金納付月数が12ヶ月未満で解約すると元本割れする。事業が安定してから加入し、資金繰りが苦しい時期は掛金を月1,000円まで下げるという柔軟な対処が可能だ。

参考: 中小機構|小規模企業共済 — 加入手続きは取扱金融機関の窓口で行えます
関連記事: 小規模企業共済の活用ガイド

iDeCo——「掛金も運用益も非課税」の最強制度

個人事業主の上限は月68,000円

自営業者・個人事業主はiDeCoの拠出限度額が最も高い。月額68,000円(年間81.6万円)まで拠出でき、全額が所得控除になる。小規模企業共済と合算すれば、年間165.6万円もの所得控除が実現する。

所得税率20%の場合、小規模企業共済+iDeCoの節税額は年間約50万円。これは実質的に年利換算30%超の効果に相当する(節税部分のみの計算)。

60歳まで引き出せないデメリット

iDeCoの最大のデメリットは60歳まで原則引き出せないことだ。拠出を始める前に、手元に3〜6ヶ月分の運転資金があるかを確認してから始めること。資金繰りが不安定な時期は、拠出額を下げるか一時停止(掛金ゼロ)の選択肢もある。

運用商品の基本的な選び方

低コストのインデックスファンド(信託報酬0.1%台)を中心に据えるのが基本だ。S&P500や全世界株インデックスを軸に、リスク許容度に応じて債券ファンドを混ぜる。定年まで20年以上あるなら、株式比率を高めに設定する方が期待リターンは大きい。

参考: iDeCo公式サイト — 個人事業主の加入手続きはこちら

NISA——「いつでも引き出せる」柔軟な老後積立

資金繰りの安全弁として使える

iDeCoは引き出せないが、NISAはいつでも売却・現金化できる。この柔軟性がフリーランスにとって特に重要だ。売上が急減した緊急時の「第三の資金調達手段」として機能する点で、他の2制度にはない特長がある。

2024年からの新NISAは年間360万円(つみたて投資枠120万円+成長投資枠240万円)まで非課税で投資でき、非課税保有期間は無期限になった。

複利効果で長期積立が強い

NISAは掛金の所得控除がない点でiDeCoや小規模企業共済に劣るが、運用益が全額非課税のため長期では複利効果が大きい。

月5万円を年利5%で20年間積み立てると約2,050万円になるが、通常の課税口座だと運用益に約20%の税金がかかる。NISAなら全額手元に残る。

3制度の最適な組み合わせ戦略

優先順位のつけ方

資金繰りには限界がある。3制度を最大拠出するのが理想だが、無理は禁物だ。

STEP 1(必須):まず小規模企業共済から始める

掛金全額が所得控除になる即効性が最大。月1,000円から始められ、増減も柔軟だ。まずここから加入する。

STEP 2(余裕が出たら):iDeCoを追加

小規模企業共済で節税の感覚をつかんだら、iDeCoを上乗せする。合計控除額が一気に増え、年末の税金が激減する実感が得られる。

STEP 3(さらに余裕が出たら):NISAで流動性を確保

iDeCoと違いいつでも引き出せるNISAは「緊急時の貯蓄」として機能する。支払いサイトが長い業種(建設・製造・IT等)では特に有効な安全弁になる。

年収別の節税シミュレーション(概算)

課税所得所得税率小規模企業共済+iDeCo
フル活用時の年間節税額
300万円10%約17万円
500万円20%約33万円
700万円23%〜約40〜50万円
1,000万円超33%〜約60〜80万円
※住民税10%含む。実際の税額は控除の種類・事業形態により異なります。

資金繰りが苦しいときはどうするか

無理に積み立てない

売掛金の回収が遅れている・季節的に売上が落ちているなど、資金繰りが不安定な時期に無理に積み立てる必要はない。

  • 小規模企業共済:掛金を月1,000円まで下げられる(増減は自由)
  • iDeCo:拠出を一時停止できる(口座管理手数料は継続発生)
  • NISA:積立を止めるだけでよく、既存の資産はそのまま保持できる

ファクタリングで積立原資を確保する方法

支払いサイトの長い業種では、売掛金があっても手元に現金がない状態が続く。このときファクタリングで売掛金を早期現金化すれば、iDeCoや小規模企業共済の掛金原資を確保できる。ファクタリング手数料は「支払手数料」として経費計上でき、それ自体が節税に貢献する。

関連記事: 個人事業主のファクタリング活用ガイド
関連記事: フリーランスの資金調達方法まとめ

まとめ

フリーランス・個人事業主の老後資金は自分で作るしかない。ただし、国が用意した3つの制度を使えば節税しながら効率的に資産を積み上げられる

  • 小規模企業共済:掛金全額控除、月最大70,000円。廃業・引退時に退職金として受け取る
  • iDeCo:掛金全額控除、月最大68,000円。60歳以降に受け取る長期積立
  • NISA:運用益非課税、いつでも引き出し可能。緊急時の緩衝材にもなる
まず小規模企業共済に加入し、余裕が出たらiDeCoを追加、さらに余裕が出たらNISAへ——この順番が資金繰りと節税のバランスを最も取りやすい。老後資金の形成は今日始めるほど有利だ。月1万円でも積み立て始めることが、10年後・20年後の事業選択の幅を広げる。

この記事の執筆者

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ファクナビ編集部

ファクタリング業界に精通した編集チームが、資金調達に関する正確で実践的な情報をお届けします。金融機関での実務経験者、中小企業の財務コンサルタント経験者を中心に構成されています。

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