ファクナビ
ファクナビ

掲載社数254

口コミ数106

最短即日入金
一括見積もり
予定納税で資金繰りが苦しくなる前に|個人事業主・フリーランスが知っておくべき7月・11月の資金対策
経営・資金繰り
経営・資金繰り

予定納税で資金繰りが苦しくなる前に|個人事業主・フリーランスが知っておくべき7月・11月の資金対策

所得税・消費税の予定納税が7月と11月に集中する個人事業主・フリーランス向けに、予定納税の仕組み、金額の計算方法、減額申請の活用、ファクタリングによる資金確保の方法をわかりやすく解説します。

ファクナビ編集部

ファクタリング業界に精通した編集チームが、資金調達に関する正確で実践的な情報をお届けします。金融機関での実務経験者、中小企業の財務コンサルタント経験者を中心に構成されています。

ファクタリング資金調達中小企業金融売掛金管理
確定申告・税務のイメージ
確定申告・税務のイメージ

「3月に確定申告が終わったのに、7月にまた税金が来た」

個人事業主やフリーランスの方からよく聞かれるのが、「確定申告を終えてひと安心していたら、6月に税務署から通知が届き、7月に数十万円の税金を納めることになった」という経験だ。

これが予定納税だ。前年の所得税をもとに「今年も同程度の税負担が生じるだろう」という前提で、税金を分割して前払いする制度である。対象になる個人事業主は毎年7月と11月に高額の納税が求められる。

問題は、前年に好調だった分、今年の収入が落ちても前年基準の税額が請求されるという点だ。その構造を知らないまま経営していると、7月の資金繰りが突然悪化する。この記事では予定納税の仕組みを正しく理解し、資金ショートを防ぐための実践的な対策を解説する。

---

予定納税の基本|誰が、いつ、いくら払うのか

対象者:前年の所得税が15万円以上の人

予定納税の対象になるのは、前年の確定申告で確定した所得税額(予定納税基準額)が15万円以上の人だ。目安として、事業所得が年間500〜600万円を超えると対象になることが多い(各種控除の状況により異なる)。

会社員は源泉徴収で処理されているため対象外だが、個人事業主・フリーランス・副業で確定申告をしている人は毎年確認が必要だ。

納付時期と納付額の仕組み

期別納付期限納付額の計算
第1期分7月31日前年の確定申告税額 × 1/3
第2期分11月30日前年の確定申告税額 × 1/3
確定申告(精算)翌年3月15日実際の税額 ─ 第1期・第2期の合計を精算
たとえば前年の所得税が90万円だった場合、7月に30万円、11月に30万円を先払いし、翌年3月の確定申告で実際の税額との差額を精算する。前払いが多すぎた場合は還付される。

予定納税の金額は税務署から通知される

税務署から6月中旬頃に「予定納税額の通知書」が送られてくる。通知書には具体的な納付額が記載されており、7月・11月の納付書も同封されることが多い。e-Tax(電子申告)を利用している場合は、マイページで確認できる。

税務書類のイメージ
税務書類のイメージ

---

消費税の中間申告も重なる「二重の資金負担」

所得税の予定納税だけでも大きな負担だが、消費税の中間申告もほぼ同じ時期に重なることで、資金繰りがさらに苦しくなるケースがある。

前年の消費税納付額中間申告の回数主な納付時期
48万円超〜400万円以下年1回8月末(半期分)
400万円超〜4,800万円以下年3回8月末・11月末・翌2月末
4,800万円超年11回毎月(翌月末)
事業所得が年間1,000万円を超える規模になると、消費税の中間申告も年1回以上必要になる。7〜8月に所得税の予定納税(7月末)と消費税の中間申告(8月末)が立て続けに来るのが、個人事業主の典型的な資金圧迫パターンだ。
関連記事: 消費税の納税が資金繰りに与える影響と対策

---

予定納税が資金繰りを直撃する3つのシナリオ

シナリオ1:前年好調→今年低迷の「収入ギャップ」

最も多いのが、前年に案件が集中して収入が多かった翌年、状況が変わって収入が落ちているケースだ。

``` フリーランスエンジニアAさんの例:

2025年:売上1,200万円 → 確定申告税額 約90万円 2026年:案件が減り売上が500万円ペースに下落 → しかし2026年7月に予定納税30万円が請求される → 2026年11月にもう一度30万円 → 2027年3月の確定申告で「払いすぎ」として還付はされるが、   2026年中に60万円のキャッシュアウトを強いられる ```

収入が落ちても「前年の税額」がベースになるため、資金的に苦しい年ほど予定納税の負担が重く感じられる構造になっている。

シナリオ2:7月は他の大型支出も重なりやすい

7月は算定基礎届に基づく社会保険料の改定準備や、法人化している場合の中間決算など、他の支払いも集中しやすい時期だ。

個人事業主にとっては、固定費・経費の支払いと予定納税が7月に集中すると、1ヶ月だけで数十万〜百万円規模のキャッシュアウトが生じることになる。

シナリオ3:売掛金待ちで現金が薄い

取引先への請求を出しているが入金が1〜2ヶ月後——というタイミングに予定納税が重なると、手元の現金は薄いのに帳簿上は利益が出ているという「黒字資金不足」に陥る。売上はあるのに手元現金がない状況で数十万円の税金を求められることになる。

---

資金ショートを防ぐ4つの対策

対策1:毎月「予定納税積立」をする

最もシンプルで確実な対策は、毎月一定額を「税金専用口座」に積み立てることだ。

前年の所得税第1期・第2期の合計毎月の積立目標額(3〜6月の4ヶ月)
30万円20万円約5万円/月
60万円40万円約10万円/月
90万円60万円約15万円/月
150万円100万円約25万円/月
3月の確定申告後すぐに「今年の予定納税見込み額」を計算し、7月までの月数で割って毎月積み立てを始めるのが理想だ。税金専用の口座を事業用口座とは別に持っておくと、残高を「使えるお金」と混同せずに管理できる。
関連記事: 資金繰り表の作り方ガイド

対策2:減額申請で予定納税額を実態に合わせる

今年の収入が前年より大幅に減っている場合は、「予定納税額の減額申請書」を税務署に提出することで、予定納税額を実態に即した金額に引き下げられる。

区分申請期限減額できる範囲
第1期分のみ減額7月15日まで第1期の金額を引き下げ
第1期・第2期を両方減額11月15日まで両期の金額を引き下げ
申請書は国税庁のWebサイトからダウンロードできる。提出は税務署の窓口またはe-Taxで行い、申請が承認されれば実態に即した金額の納付書が再送付される

収入が落ちているのに前年基準の予定納税を払い続けるのは不合理だ。制度を正しく活用することで、手元資金を守れる。

書類チェックリストのイメージ
書類チェックリストのイメージ

対策3:ファクタリングで売掛金を前倒し回収する

売掛金(請求済みだが未回収の代金)がある場合、ファクタリングを使って入金を前倒しすることで予定納税の支払い原資を確保できる。

ファクタリングは売掛債権をファクタリング会社に売却する資金調達の仕組みで、借入ではないため信用情報に影響しない。最短即日での資金化も可能だ。

項目ファクタリングなしファクタリングあり
売掛金(入金予定:8月末)100万円100万円
手数料(10%)10万円
手元に入る金額8月末に100万円7月中旬に90万円
7月31日の予定納税(30万円)資金不足問題なく納付
「税金の支払いにファクタリングを使うのは節税ではなく、キャッシュフローの平準化」という認識で活用するのが正しい使い方だ。
関連記事: ファクタリングとキャッシュフロー改善の関係

対策4:大型支出のタイミングを7月・11月から外す

設備投資、大型仕入れ、事務所の移転など、タイミングをある程度コントロールできる支出は、予定納税が来る7月・11月を避けて計画する

年間の支出スケジュールを資金繰り表に落とし込み、予定納税の納付月に他の大型支出が重ならないよう調整することで、資金繰りのピークを分散できる。

---

確定申告後にやるべき「予定納税の準備チェックリスト」

毎年3月の確定申告後、以下のステップを実行しておくことで予定納税への備えができる。

ステップ1:今年の予定納税額を確認する 確定申告書の「予定納税額」欄、または税務署からの通知書(6月中旬頃)で金額を確認する。

ステップ2:今年の収入見込みを前年と比較する 前年より大幅に減る見込みなら、7月15日の減額申請期限を念頭に準備を始める。

ステップ3:積立額を計算して専用口座に振り分ける (予定納税額 × 2/3)÷ 残り月数(3月〜6月の4ヶ月)= 毎月の積立目標額

ステップ4:消費税の中間申告有無も確認する 前年の消費税納付額が48万円超であれば、8月末の中間申告も視野に入れて資金計画を立てる。

ステップ5:7月・11月の資金繰り表を今から作る 入金予定・支出予定を一覧化し、不足額をファクタリングや融資で補う計画を立てる。

---

まとめ

予定納税は、個人事業主・フリーランスにとって避けられない制度だが、仕組みを理解していれば対策できる

  • 前年の所得税が15万円以上なら、7月と11月にそれぞれ1/3ずつが前払いとして必要
  • 消費税の中間申告も加わり、7〜8月は資金流出が集中する危険ゾーン
  • 前年好調→今年低迷のパターンでは、収入が落ちても昨年基準の税金が来る
  • 収入が落ちた場合は減額申請(第1期は7月15日まで)で予定納税額を実態に合わせられる
  • 急な資金不足にはファクタリングによる売掛金の前倒し回収が有効
  • 3月の確定申告後すぐに税金専用口座への毎月積立を始めるのが最善策
税金の支払いは経営の義務だ。しかし、そのスケジュールと金額を事前に把握し、計画的に備えることで、資金繰りへの影響は最小限にできる。今年の7月・11月を安心して乗り越えるために、確定申告が終わったらすぐに動き出そう。
関連記事: 確定申告とファクタリング|税金の支払いと資金繰り
関連記事: 消費税の納税が資金繰りに与える影響と対策
関連記事: 資金調達の緊急度別ガイド|状況別おすすめ方法

この記事の執筆者

F

ファクナビ編集部

ファクタリング業界に精通した編集チームが、資金調達に関する正確で実践的な情報をお届けします。金融機関での実務経験者、中小企業の財務コンサルタント経験者を中心に構成されています。

ファクタリング資金調達中小企業金融売掛金管理
実践経営ノートの記事一覧を見る

関連するファクタリング業者

関連記事